2012年1月15日日曜日

暖流


戦前(昭和14年)吉村公三郎監督でこの作品は作られました。私が今回観た「暖流」は新鋭監督の増村保造がメガホン撮った作品でした。戦前の作品ほど評価は高くないがこの作品も見ごたえある素晴らしい作品でした。戦前の作品はまだ観ていないので比較することは出来ませんが、セリフの回転が速くててきぱきとして画面にグイクイ引き込まれていく。特に石渡ぎん役の左幸子のセリフはすごくストレートで日疋祐三の根上淳に対する愛情表現もストレートで表現されついに日疋はぎんの積極性に負けてしまうのである。病院令嬢志摩啓子の野添ひとみも自由奔放であるがそれ以上のぎんでした。こんな積極的な女性は多分存在しないだろう。監督は極端に個性を強烈にヴィヴィドにデフォルト化しているが観る観客には強烈な印象を与えるものです。解説者の山本晋也氏の話によると増村監督はイタリヤに留学しているのでイタリヤ映画の自我の主張の強いところの影響をこの作品は受けていると解説してくれました。駅の改札口で大声で日疋i「二号でも妾でも良いから」と叫ぶシーンは正にイタリヤ風でした。私立病院の入り口の鉄門が開いて映画は始まりラストは二人で鉄門を閉じて出て行くところで終わる。なかなか粋なエンドでした。

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